食文化の原点
日本料理は四季折々の新鮮な素材・技術・多彩な食器・盛付けの
美の要素が特徴である。
その全体を統一する要が箸である。箸で食べやすいように調理することから
包丁の技が発達し、箸で食べることから、手で持ちやすい食器が生まれた。
食卓のマナーの基本も箸使いにある。日本料理の作法は箸に始まり箸に終わる。
一期一会の潔さ
箸があるから饂飩や蕎麦がうまい。箸があるから鍋を囲む歓びがある。
刺し身に山葵をのせ、少し醤油をつけて食べる。これも箸があればこそである。
また、美しく焼き上げた鮎の塩焼きなどは、ナイフ・フォークでは食べようがない。
割箸は潔癖症の日本人が発明した独特のもので衛生的で安心感があり、
一回で使い捨てるところに一期一会の潔さがある。 |